妊娠中にできる「正中線」とは?
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「お腹に一本、まっすぐな線が出てきた…」妊娠中、多くの方がふと鏡の前で気づくこの変化。それが「正中線」です。初めての妊娠では「なぜ急に出てきたの?」「消えるの?」と不安になる方も少なくありません。しかし、この正中線はからだが赤ちゃんを迎える準備をしているサインでもあります。
この記事では、妊娠中だからこそ知っておきたい正中線のことを、専門的な知識と日常の安心につながるケアの視点からご紹介します。
正中線とは
正中線とは、おへそを中心に縦に走る、うっすらとした茶色や黒っぽい線のことです。妊娠中に現れるのが特徴で、医学的には「リニア・ニグラ」と呼ばれることもあります。実はこの線、妊娠していない時にも体の中央に「白線」という結合組織が存在しており、普段は皮膚の色と同化して目立ちません。ところが妊娠をきっかけにホルモンの働きが変化し、メラニン色素の生成が活発になることで、その部分が濃く浮き出るのです。
正中線が現れることは決して異常ではなく、むしろ多くの妊婦さんに共通して起こる自然な変化です。そのため「私だけ?」と不安に思う必要はありません。さらに、正中線はその人の体質や肌質によって濃さや長さが違い、まったく現れない人もいます。つまり、正中線は妊娠を経験する中で表れる個性のひとつであり、赤ちゃんと母体が確かに結びついている証ともいえるのです。
正中線ができる原因
正中線が現れる主な理由は、妊娠によるホルモン分泌の変化です。特にエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増加すると、皮膚のメラノサイト(色素細胞)が刺激され、メラニン色素が増えやすくなります。この仕組みは、妊娠中に乳輪や陰部の色が濃くなる現象とも共通しています。
また、顔にできる「肝斑(かんぱん)」も同じ仕組みで起こります。
さらにお腹が大きくなることで皮膚が引き伸ばされ、正中線の位置が強調されて見えるのも特徴です。これは皮膚の構造が薄く広がることで、メラニンの濃淡がはっきりと目に映るからです。こうした変化は母体が赤ちゃんを守るための自然な調整の一部であり、健康に害を及ぼすものではありません。
正中線は「体が妊娠のために働いている証拠」だと知っておくことで、不安よりも安心を感じられるでしょう。

正中線ができる時期
正中線は人によって現れる時期が異なります。早い方では妊娠初期からうっすらと出始めますが、多くの場合は妊娠中期(5〜6カ月頃)から徐々に濃くなり、妊娠後期にかけてはっきりと目立つようになります。特にお腹のふくらみが大きくなってくると線も強調されやすく、「ある日突然濃くなった」と驚く方も少なくありません。
ただし、正中線の出方には個人差があります。肌の色素沈着がもともと濃い方や色白の方では目立ちやすさが違い、まったく現れない人もいます。また、双子妊娠などお腹のふくらみが急速に進む場合は、線が早い段階からはっきりと見えることもあります。こうした多様なパターンはどれも正常であり、妊娠の進行具合や体質による自然な差と理解することが大切です。

正中線と妊娠線の違い
お腹に出る線として混同されやすいのが「妊娠線」です。正中線と妊娠線は一見似ていますが、成り立ちは大きく異なります。正中線はホルモンによる色素沈着で起こる“色の線”であるのに対し、妊娠線は皮膚が急激に引き伸ばされて真皮が裂けることで生じる“溝のような線”です。
妊娠線は肌の柔軟性やコラーゲンの状態に影響されるため、ケア次第で予防や軽減が可能です。一方、正中線はホルモンとメラニンの働きによるため完全な予防は難しいですが、日頃のスキンケアや生活習慣によって「濃さを抑える」「出産後に薄く戻りやすくする」サポートは可能です。この違いを理解しておくと、ケアの優先度や方法を整理しやすくなります。

正中線は消えるのか
正中線は基本的に出産後、ホルモンバランスが落ち着くにつれて自然に薄くなっていきます。目安としては半年〜1年ほどでほとんど気にならなくなるケースが多いです。ただし、体質や生活習慣によっては色素沈着が残ることもあります。
「いつ消えるのか」という不安は妊娠中によく耳にしますが、まずは自然な経過を見守るのが安心です。無理に美白効果のある化粧品を使わなくても大丈夫。肌にやさしいケアを続けることが大切です。正中線は“からだの記録”としてしばらく残るものの、時間の経過とともに薄れていくことを知っておくと、気持ちも軽くなるでしょう。
妊娠線予防のための“早めのボディケア”
【栄養面でのサポート】
まずおすすめなのが栄養面でのサポートです。メラニン色素の生成を抑える働きがあるビタミンCは、果物や野菜から意識して摂取するとよいでしょう。さらに、抗酸化作用をもつビタミンEや、肌の新陳代謝を助けるタンパク質もバランスよく取り入れることで、全身の肌状態を健やかに保つことができます。体の内側から整えることは、正中線だけでなく妊娠期の肌全般にプラスに働きます。
【保湿】
次に大切なのが保湿です。お腹まわりはもちろん、太ももや胸まわりなど乾燥しやすい部分にしっかりうるおいをあたえることで、肌の柔軟性が高まり妊娠線予防にもつながります。
また、肌が十分にうるおっているとターンオーバーも整いやすく、色素沈着が濃く残りにくくなります。加えて、外出時には紫外線対策を取り入れることも有効です。紫外線はメラニンの生成を促すため、妊娠中の敏感な肌には低刺激の日焼け止めを選ぶと安心です。
そして、こうした日々のケアに取り入れたいのが、リエムオーガニックのボディケアクリーム。天然由来成分をベースにした処方で、妊娠中のデリケートな肌にもやさしく、しっかりとした保湿力を持ちながらベタつかない軽やかな使い心地が特長です。
お腹だけでなく全身に使えるので、正中線や妊娠線が気になる部分をまとめてケアでき、毎日の習慣に無理なく取り入れられます。


